2017-07

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派遣労働者問題 コミュニティ

派遣社員に関して、彼らは職を選びすぎだという主張とかわいそうだからという主張が入り乱れていますが・・・
同情と蔑みというものはよく似た情感ですから、いわゆるアンビバレンツな状態(二つの情動を併せ持つ)になりやすいんだと思います。このどちらか一方あるいは両方ともが社会的な表出をおこなうときは、表出する社会環境に所以するものだと思います。

γというαとβで構成された情動をもったAという人物がいた場合。

Aという人物はBという環境にいるときCというαよりの発言をする。しかしAという人物がDという環境にいるときはEというβよりの発言を行う。

ケインズが予言した分解された個人表意の時代になり、以前のように家族や地域コミュニティなどを通じて収斂されていた意見が上位コミュニティに溯上しなくなりダイレクトにつながってしまっている。社会動物であるという前提のもと人間などというものはアンビバレンツな状態でなければ生きていけない生き物であり、そのアンビバレンツさを補うのがコミュニティの役割だと思うんですよね。ところが、アンビバレンツな状態でその場だけの環境に依存してしまい安易な発言をしてしまう。また、その安易な発言に対して同調するものも増えてくるように見える。しかし、、それはもともとアンビバレンツなαとβが混在した状態であるにしかすぎないんだと思いますよ。この状態が政治闘争にも見えてしまう。

より高度な環境ストレスを与えるとこうしたアンビバレンツな状態は選択肢というものにも分岐してくるのでしょうけれど、現状ではそこまでいっていない。

生物学の基礎にあることばですけど、餌の選択に迷うねずみにはストレスを与えろってのが、あります。現状でこうした状態にはないってことじゃないでしょうか。

アンビバレンツでも良かったというのが個人がコミュニティに属していた状況だと思うんですよ。それは家族だったり友人関係だったりする。それを累蓄したものが文学としても成立する。ジョイスの視点などはより上位のコミュニティから身の丈大のコミュニティに社会環境が降下してきて、個人や身の回りの人々により大きなコミュニティがどのような影響を与えているかということを見事に書ききっていると思うんですよね(ジョイスの本に出てくる食べ物の話は非常にそういうところを表している)ところがグローバリズムの市場開拓によって個人にまで細分化されてしまった。ゆえにダイレクトな自己責任を求められてしまっている。家族コミュニティにはもちろん強度の父権主義などの害もあったのだけれど、個人が社会に直接的に晒されないという旨みがあると思うのですが、それがスポイルされようとしている。もちろん自己責任などが問われると必然として自分のネガティブなども社会に還元してしまうというか、社会への応報感情として成熟されてしまう可能性が高い。それが秋葉事件などのようなものだったんだと思います。

基本的に多くのコミュニティを内に含む上位コミュニティは個人がさらされるのにはあまりにも負担が大きい。ゆえに至近で所属するコミュニティは、より上位コミュニティが求める事項を集団で対処する。至近で身の丈大のコミュニティにはそういう役割がある。つまり、身の丈コミュニティがアンビバレンツな状態の個人を容認する。もっといえば自由を保障するといってもいいでしょう。

ここでオウムの例をひきあいにだしますが、結果としては詐欺として終了してしまったのだけれども、松本死刑囚の思惑とは別にオウムに入れば自分たちの自由(修行をすることもふくめてね)があると入信した人々は考えた。また、そこを通じて社会の刷新ができるのではないかという気持ちをもっていたのではないでしょうか。

ところが、このオウム真理教という団体は、多くの場合は松本死刑囚の犯罪性において、より上位のコミュニティとの接続を強く拒んだ。つまり、構成員の自由を保障するコミュニティではなかったということに他ならなかった。

個人は個人が自由であるためには所属するコミュニティが自分に代わって社会的な責任を果たすような存在になるように努めなければならない。この責任が本来の自己責任というものでしょうし、モンテーニュの主張する個人主義における責任論になるのでしょう。
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