2017-07

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清治とどんぐり

 清治は畑を耕したり、木を小さな釜でいぶして炭にする仕事をしていました。
ある日、清治が山に仕事にいこうとすると、ちいさな家のちいさな玄関の前にちいさな芽がでているのをみつけました。
ああ、こりゃ、まえにこぼしたドングリの実が芽を出したな。そういうと清治は摘み取ろうとしましたが・・・

まぁ、どうせ枯れるだろうと思い。摘み取ろうとした手をひっこめました。

それから、しばらくして清治は山に炭を焼く為にはいっていきました。

何日もすぎてもどってくると、あのちいさな芽は大きな双葉を出していました。

ああ、枯れるとおもったのにというと、また摘み取ろうとして手を出したのですが、また、どうせ枯れるだろうとおもうと摘み取るのをやめてしまいました。

そうして、つみとらないままでいたので、とうとうドングリの実をつける椎の木は清治のひざくらいのたかさまで伸びてしまいました。

ああ、こんなにのびちまって、そういうと清治は、また椎の木をぬこうとしたのですが・・・。

まぁ、ここまで育ったんだ、どうせ枯れてしまうのだから、そのままにしておいてやろうと思うと引き抜こうとした手をひっこめてしまいました。

それから、また、沢山の月日が経ちました。

するとどうでしょう、椎の木は清治の背丈程に伸びていました。

ああ、こまったものだ。こんなにおおきくなると家に炭俵もはこべもしねぇ。そういうと清治は椎の木を引き抜こうとして手をのばしました。
そして、こんどはとうとう椎の木を抜いてしまいました。
清治はいそぎあしで今日には出来上がる炭を山に取りにいきました。

その日のお日様も西にかたむいて、空が真っ赤になるほどの夕焼け空ができあがり、からすがかぁかぁとなくころ

大きな炭俵をあせをかきかき、やっとのおもいで清治はかえってきました。
よいしょっと、そういうと清治はからだをかたむけて家にはいろうとしました。
そうです、何年も椎の木と暮らすうちに清治は椎の木を踏まないように体をかたむけて家に入るくせがついていたのです。

清治はよいしょっと炭俵をおろすと

そうよのう・・・あのどんぐりの木がないのも寂しいなとおもいだしました。
清治は抜いた椎の木とクワをもつと家から少し離れたところに椎の木を植えました。

次の朝、清治が椎の木を見に行くと、椎の木はぐにゃりと頭を下にたらして、しおれかかっていました。

しょうがないのー、そういうと清治はいえにもどって自分の湯のみに一杯の水をいれてきて椎の木にかけてあげました。

それから、お日様が強すぎる日には沢山の水をあげました。そうして椎の木はずんずんとそだっていきました。

十年もたつと清治が登れる程の高さに椎の木はそだちました。
清治はときおり椎の木にのぼると、真っ赤なお日様が清治の住む谷を照らし、カラスがかぁかぁと歌声をあげるのを聞きました。

また、十年も日が過ぎたある日、おおきな嵐がやってきて椎の木を倒してしまいました。

根本からぼっきりとおれてしまったのです。

清治は悲しそうな顔をすると
しょうないのうというと湯のみに水を汲んできて、倒れた椎の木に水をあげました。

清治は何年も何十年も水をあげました。けれども木はぜんぜん元気よくなりませんでした。

でも、清治は しょうないのうといいながら水をあげ続けました。

やがて、倒れた椎の木はくさってしまいました。それでも清治は水をあげつづけました。

若かった清治もおじいさんになってしまいました。
ある日、椎の木のあったところにいつものように水をあげているとき清治は
これでおしまいじゃのうといいました。

腰の曲がった清治は自分の家にゆっくりともどると、それからでてこなくなりました。

家も雨や風でぼろぼろになってしまいました。きっと清治の寝ている所には雨が、ざぁざぁと降れば、清治にもざぁざぁと雨がふるでしょう。

いろりから煙もあがらなくなりました。

それからしばらくすると、どーんという音ともに清治の家はつぶれてしまいました。

そうです。清治は、もういないのです。


それから何百というくらいにおひさまが谷をそめました。
ある日、清治が植えた椎の木があったところに小さな芽が生まれました。

清治がくさらせた木を栄養にして、枯れた椎の木がばらまいたドングリが芽をつけたのです。

新しい椎の木はすくすくとおおきくなり、リスにどんぐりをあげてドングリをうめてもらって、自分の子供たちを沢山ふやしました。

カラスがかぁかぁと鳴いて、お日様が真っ赤にそめる谷には一杯の椎の木がどんぐりをつけてドングリ林になりました。

それから、この谷は一杯の命があふれるようになりましたとさ。


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